Takayoshi
Wanami Christmas Bach Series no.7
和波たかよし クリスマス・バッハ・シリーズ VII
無伴奏ヴァイオリン作品の夕べ:バッハとイザイの出会い・その2
1997年12月23日(祝)4時PM 東京文化会館小ホール
Tue.,DEC.23 at 4:00p.m. Tokyo Bunkakaikan Recital Hall
ヨハン・セバスティアン・バッハ/J. S. Bach
パルティータ 第3番 ホ長調 BWV 1006
Partita no.3 in E Major for violin solo BWV1006
ウジェーヌ・イザイ/E. Ysaye
ソナタ 第2番 イ短調 OP.27 no.2「幻影」
Sonata no.2 in a minor for Violin Solo op.27 no.2 "Obsession"
ウジェーヌ・イザイ/E. Ysaye
ソナタ 第3番 ニ短調 OP.27 no.3「バラード」
Sonata no.3 in d minor for Violin Solo op.27 no.3 "Ballade"
ヨハン・セバスティアン・バッハ/J. S. Bach
ソナタ 第3番 ハ長調 BWV 1005
Sonata no.3 in C Major for Violin Solo BWV1005
全指定席:A=¥4500 B=¥4000
主催:梶本音楽事務所 TEL 03-3289-9999
慈愛に溢れたバッハ
「バッハの音楽のどんなところに魅力を感じるのですか」と、最近あるジャーナリストから尋ねられました。その人は音楽の専門家ではなかったので、私は少し迷ってから、「バッハはとても良い人だったと思うのです」と答えました。
作曲技法の偉大さは言うまでもありませんが、それに加えて、彼はとても心の広い、調和のとれた人格者だったと私は信じているのです。バッハを弾いていて味わう感動は、思いやりに満ちた、心暖かな人に出会った時のそれに似ています。
こうした思いは以前から持っていましたが、今年サイトウ・キネン・オーケストラのために「マタイ受難曲」を勉強して、その気持ちがいっそう強くなりました。ひとりでヴァイオリンのパートを練習していても、その平易な旋律から、彼の慈愛に満ちた人柄が滲み出てくるような気がしたのです。無伴奏曲は技術的な難しさゆえに、えてして挑みかかるような態度で取り組みがちですが、今年の「バッハシリーズ」では、私が感じている彼の「人間味」を、率直に描き出してみたいと考えています。
ところで、「バッハとイザイの出会い」は昨年から始めた企画ですが、これは、バッハを敬愛し彼と同じ6曲の無伴奏作品を残したイザイをプログラムに含めることで、私のバッハシリーズを活性化させたいとの意図によるものでした。今年はロンドンで、26年ぶりにイザイの無伴奏全曲のCD録音を行うという貴重な体験を積みました。イザイは、極めて高度なヴァイオリンの技巧を取り入れていますが、それは主に重音をいかに奏するかであり、バッハ演奏にも共通する大切な技術なのです。
クリスマスの前日、人類愛に満ちたバッハの作品と、そこから強い霊感を受けたイザイの無伴奏曲で、心ゆたかな午後のひとときをお過ごしいただけるようにと願っております。
1997年11月
和波 たかよし

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