4月28日 美寧子が名古屋でリサイタル

 時はどんどん過ぎていく。先週も、なんだか瞬く間に終わってしまった感じだ。

 今日の新聞に、春の褒章の受章者が発表された。「そうか、あれから1年が過ぎたのか」と、私ははるか昔を振り返るような気持ちで、去年の今日、私の紫綬褒章が発表された日のことを思い出していた。

 その今日は、妻の土屋美寧子が、名古屋のスタジオ・ルンデでリサイタルを開いた。1981年以来、美寧子も私もルンデで毎年のように演奏してきたが、今日が最後となった。ルンデは6月に閉館するのだ。

 残念ながら、集まりはあまり良いとは言えなかったが、それでも愛好家の方々が熱心に耳を傾けて下さったし、私の名古屋の弟子たちも聴きに来てくれた。美寧子は、ほぼ2年に1度ずつソロのリサイタルを企画し、毎回テーマを決めていろいろな作品と取り組んできた。今日の演奏を聴きながら、私には彼女のピアノへの厚い思いと音楽への強い気持ちが伝わってきた。今夜足を運んで下さった方々にも、そうしたものを共有していただけたとすれば幸せである。

 今週は、火曜日に続いて今日もまた名古屋へ日帰りした。そして、来週の火曜日も名古屋である。名古屋は私の生活の一部となりつつある。だが、毎回日帰りなので何となく忙しない。私にとっての名古屋は、とても忙しいところである。

 たまには泊まってもいいかと思うのだが、ホテル代は高いから、さしたる目的もなく泊まるのはあまり気が進まない。一人で行っているから、どこか見物すると言ってもなかなかままならない。まあ、名古屋通いは当分続くのだから、おいおい名古屋の楽しみ方を考えるとしよう。

 夜遅く帰宅したら、ハンガリーから5月末のコンサートに関する打ち合わせのファックスが来ていた。ラジオ放送は公開リサイタルだと思っていたのに、非公開だと書かれてあり、私をがっかりさせた。でも、大好きなヨーロッパでの仕事が1ヶ月後に迫ってきた。ヨーロッパへ行く機会も少なくなってきたので、この旅行はとても楽しみだ。

 明日からはゴールデンウィークだが、私が名古屋で教える火曜日は平日なので、生活に大きな変化はない。美寧子は、東京のリサイタルに向かって毎日練習に励むだろう。私ももちろん、練習は欠かせないし、2月にレコーディングしたベートーヴェンのソナタ4曲の編集準備にも入らねばならない。用事はいくらでもある。元気に楽しく、それらを片づけていこう。

和波たかよし

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