5月26日 明日からヨーロッパ
ヨーロッパへ出かける前の晩は、いつも徹夜同然になってしまう。それでも、私は2・3時間眠ることができるが、美寧子はまったく眠らないで朝まで働き通すこともある。短期間といっても、しばらく家を空けるのだから、片づけておかねばならない用事も多いし、何を持って行くかを考えて荷造りするのも彼女の仕事だ。
今回の旅行は、ウィーンとブダペストを訪れるが、日本で調べた天気予報だと、来週前半は気温が一桁台に下がるという。だが、時には夏日もあると言うから、着る物もいろいろと持たねばならない。いつも我々は大荷物だ。
ロンドンに拠点があった頃は、年に5回も6回も日本とヨーロッパを往復していた。だが、今はすっかり日本に腰を据えているから、ヨーロッパへ出かけられるのは大変貴重な時間となる。今回は、いつもハンガリーで私の仕事を取ろうと努力してくれる友達、カルマン・ドボシュ氏の計らいで、リサイタルと放送の仕事が決まった。わざわざ日本から行くには仕事が少ないが、これを機会に、ウィーンに立ち寄って「芸術週間」のオペラやコンサートを聴くことにした。友人、知人との再会も決まっていて、とても楽しみだ。きっとヨーロッパで、心身をリセットできることだろう。生徒たちのレッスンはしばらく休ませてもらうが、2週間後にはまた新鮮な気持ちで彼らと相対することができると思う。音楽の栄養を吸収し、それを日本の人たちと分かち合う、それが私の楽しみなのである。
間もなく午前3時、そろそろ寝るとしよう。美寧子はまだ働いている。
和波たかよし
|