12月8日 今年もバッハシリーズが近づいた

 このところ、夜の眠りが深い。だから、昼間もかなり良い気分で過ごしている。これはやはり、バッハの音楽のことを考えている時間が長いからではなかろうか。

 バッハシリーズが近づいても、私はまだまだバッハに集中できてはいない。レッスンも多いし、1月に開く発表会の準備もある。これは、準備と言っても私のやることは少なく、妻や門下の人たちがほとんどやってくれるが、それでも私がいろいろな段取りを決めていかなければならない。今日も、生徒の代表とホールへ打ち合わせに赴いた。だが、そうした雑用はあっても、心はしっかりバッハの方を向いている。

 バロックヴァイオリンの演奏も6年目、かなり慣れてきた。少しずつ表現の幅を広げ、今の私を素直にバッハで語りたいとの欲求も強くなってきた。だが、やればやるほど難しいのがバッハである。「なぜこんなに弾けないのか」と落ち込む日もあるが、翌日はまた元気を出して練習に励む。その繰り返しが、12月23日に演奏する私の音楽を形作るのだ。

 残念なことに、最近は私のバッハシリーズが満席になることはなくなってしまった。これを始めた1991年当時は、クリスマスの時期にそれほど多くのコンサートがなかった。だが今は、これでもか、これでもかと都内の至る所でコンサートが行われている。23日も、驚くべき料の音楽会があり、私が弾く東京文化会館小ホールでも、同じ夜に別のヴァイオリンコンサートが開かれる。これでは、お客様が減るのも仕方ないかもしれない。

 だが、熱心に私のバッハを待っていて下さる方も少なくない。長野、名古屋、大阪などからも聴きに行くとのご連絡をいただいた。このホームページを通じて、知らない方からのチケットお申し込みもあった。そうした出来事の一つ一つが、私に励ましと喜びを与えてくれる。聴きに来て下さった方々に素晴らしい時間をプレゼントする、そのために私はバッハと正面から取り組む。それができる自分の幸せを思うと、もう言葉にできないほどの嬉しさがこみ上げてくる。その喜びが、体調までも良くしてくれているのだ。

 周囲に、風邪を引いている人が多い。その仲間入りをしないように注意しながら、バッハとの日々を続けていこう。そして、さらに多くの方々がこのシリーズに興味を持って聴きに来て下さることを、心から願っている。

和波たかよし

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