2007年1月11日 楽譜と格闘の日々

。 2007年に入って10日が過ぎたが、私の日記はずっとストップしたままだった。病気をしたわけでもなく、元気に暮らしているのだが、なんとなく忙しくて気持ちが落ち着かない。お正月は5日まで休んだし、その後はレッスンで忙しかったものの、もうピークは過ぎた。明日が東京の発表会、16日が名古屋の発表会、そして28日には「アフタヌーンコンサート」がある。

 バッハの後やや練習不足だったが、そろそろエンジンをかけなければ、と気持ちを引き締めている。室内楽を演奏する機会はあまり多くないので、私にとっては室内楽の名曲を3曲も演奏できる今回のコンサートには、かなり気を入れて取り組んでいる。仲間に頼んで、リハーサルもかなり多く取ってもらっている。まずは14日にモーツァルトのデュオだけを練習し、他の曲は20日からリハーサルに取りかかる。それまでに私は、譜面をよく読んでしっかり暗譜すると共に、弓使いなども考えて共演者とのディスカッションに臨める準備をしなければならない。

 分厚い点字のスコア譜と格闘しながら、「これを作ってくれる方々がいてくださるというのは、何と有り難いことだろうか」と感謝の念が胸一杯に広がる。熱心なボランティアが増えたことも嬉しいが、従来のように点字のタイプライターなどを用いて紙に点を打っていく点訳方法では、複雑なスコア作りはほとんど不可能だと思う。すべてのパートが1ページに収まる分量だけ書いていくわけだから、手間のかかる作業だ。

 私は時々、パート譜として提供されている曲をスコア形式に直して利用することがあるのだが、「このページに何小節入るだろうか」と考えるのはけっこう骨が折れる。「弦楽四重奏など、「このぐらいは書けるかな」と見当を付けて、第1ヴァイオリンから数小節ずつパート譜をコピーしていくと、チェロの最後のところが次のページにはみ出してしまい、各パートから1小節ずつ削除してそのページに収める、といった作業を頻繁にやらなければならない。楽譜を点訳しながら、その点字楽譜のレイアウトにも気を配るというのは、本当に大変だと思う。母が私の楽譜作りを一手に引き受けてくれていた頃は、室内楽の全パートを点訳してもらうのも無理なことが多かったが、時には他のパートも書いてもらうことがあった。でも、スコアを作ることまでは頼めなかった。当時はまだパソコンがなかったし、点訳は今以上に根気の要る仕事だったのだ。

 楽譜の面で、私は本当に恵まれている。今回演奏する3曲は、すでにかなり以前に楽譜点訳グループの「トニカ」が作ってくださったが、「こういう楽譜があるから安心して室内楽もできるし、アンサンブルの指導などもできるのだ」と改めて身にしみる思いだ。私の演奏には、そのように私をサポートしてくれる多くの方々の心を受け止める広さと大きさが備わっていたい、そう強く思う。

 さあ、明日は発表会だ。皆がどんな演奏を披露してくれるのか、楽しみにしながら今夜の眠りに着こう。

和波たかよし

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