2月6日 今期最後の名古屋で
アフタヌーンコンサートが終わって、もう10日が経とうとしている。コンサートに全力投球し、休む暇もなく大学の試験やレッスン、天理でのコンサートや公開レッスンと、ずっと忙しく過ごしてきた。だが、アフタヌーンコンサートで多くのお客様に喜んでいただけたことが大きな支えとなって、私は楽しく、充実した心で過ごしている。
今回のアフタヌーンは、共演者たちと気持ちを通い合わせて良いティームワークを作ることができ、本当に幸せであった。客席は満席にはならなかったものの、12月のバッハシリーズを上回る多くの方々がお集まり下さり、いつものアフタヌーンらしい温かくくつろいだ雰囲気が流れていて、私はその中で楽しく語り、演奏した。そして、「室内楽の喜び」を心ゆくまで味わったのである。
室内楽は、良い共演者に恵まれることが、成功の必須条件だ。私は室内楽が好きなので、できれば1年に一度、少なくとも2年に一度は室内楽の演奏会を持ちたいと願っている。ただ、室内楽はどうしても地味な分野と見なされてチケット販売が難しい上に、共演者とのスケジュールの調整も簡単ではない。今回は、トークを織り交ぜながら室内楽作品に親しんでいただこうと考えての企画だったが、その意図はお客様に十分伝わったとの手応えを感じた。
だが、アフタヌーンコンサートも室内楽ばかり続けることは難しい。10月20日に予定している次回の「第20回アフタヌーンコンサート」は、美寧子とのデュオでロシア音楽のプログラムを聴いていただこうと考えている。何にしても、無事に終わって良かった。ご来場下さった皆様と、アンケートやメールなどでご感想をお送り下さった方々に、心からお礼を申し上げたい。
今、私は名古屋のホテルでこれを書いている。今日と明日は後期実技試験の採点のため名古屋に来ているが、これで2006年度の名古屋でのレッスンは終わりになる。「何とか2年間勤め上げたな」と感慨を抱きつつ、ホテルのシングルルームで夜を過ごしている。
わざわざ言うことではないかもしれないが、視覚障害者として、60才になってから自宅から遠く離れたところに職を得て、週に一度300 キロの道のりを移動しながら新しい学生たちと関わるというのは、なかなか大変なことなのである。でも、名古屋には私のレッスンを喜んでくれる学生たちがいる。それを肌で感じることが、このかなり大変な勤めを可能にしてくれているのだ。もう一つ、大学の先生方のサポートも貴重なものだ。明日も、車を持っているヴァイオリンの先生が、ホテルまで迎えに来てくださる。「ラッシュの電車に一人で乗るのは大変だろうから」との思いやりからだ。「大丈夫ですよ」とは言ったが、正直なところ、すし詰めの地下鉄に一人で乗らなくて済むのはとても有り難いことだ。来てくださる先生にはお気の毒だが、ご厚意を素直に受けることにした。それに応える良い仕事をすること、それが私に与えられた課題なのだと思う。
和波たかよし
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