5月5日 津々浦々に音楽を届けたい

 世の中は、ゴールデンウィークのまっただ中、今日は立夏だ。いよいよ私の好きな季節が来る。高温多湿はちょっとつらいが、寒いのよりはましだ。元気に、毎日を乗り切っていきたい。

 4月は、すっかり東海道新幹線のお世話になった。名古屋へ3往復、大阪へ3往復したのだ。しかも、22日には自殺事件のあおりで4時間半以上も車内で過ごさなければならなかった。それが、ライトハウス・チャリティーコンサートの直後だったため、少し体の調子がおかしくなった。そのせいではないだろうが、30日には腰を痛めてしまった。時々やるぎっくり腰である。ただ、このお陰でゆっくり体を休めることができたのは、むしろラッキーだったかもしれない。

 昨日は、郡山でオーケストラとのリハーサルがあったが、短い休憩を取っただけで、3時間みっちりやり、中身の濃い練習となった。素晴らしい音楽に向かって努力している時、私はどんな時よりも元気になれるようだ。オーケストラも、アマチュアではあるがレベルが高く、とても真剣に練習していたので、18日は幸福なコンサートになりそうだ。

 話は戻るが、ライトハウス・コンサートでの澤和樹さんの指揮する千里フィルハーモニアとの協演は、実に楽しいものだった。28年ぶりにグラズノフの協奏曲が弾けたのも嬉しかったし、オーケストラのコンサートマスターとして「スペイン奇想曲」を演奏したり、澤さんとのデュエットでサラサーテの小品を弾いたり、いろいろやらせてもらって幸せだったし、お客様にも喜んでいただけたようだった。

 このコンサートの後でいただいたメールの中に、「お話が聞けるのも嬉しいことです。もう少しお話しの時間が長ければよいと思います」と書いて下さった方がある。コンサートだから、あまり長くトークに時間を割くことはできないが、もしご希望があるなら、いろいろなところへ出かけていって、トーク付きのコンサートをさせていただきたいと思う。

 そういえば、愛知県立芸大の企画する「サテライト講座」という催しで、来年の1月頃お話しと演奏を聴いていただくことになった。大きなテーマは「ヴァイオリンの魅力を知っていただく」ということなのだが、私は視覚障害者の立場で、どのようにヴァイオリンをマスターしたかといったユニークな体験も交えながら、自分とヴァイオリンとの強い結びつき、その中から得た無限の喜びについて語りたいと考えている。

 日本の中には、私がやっているような音楽は、難しくてわかりにくいものだと思っておられる方が多いのではないだろうか。決してそんなことはない。ヴァイオリンという楽器の調べが、どれほど人の心を和ませ、幸福な気持ちにさせてくれるものなのかを、私のステージできっとお伝えできると信じている。それこそが、私が活動を続ける目的なのだから。これからも、まだ演奏したことのないたくさんの町で弾く機会が訪れ、そこで数多くの素晴らしい出会いが経験できることを心から願っている。

和波たかよし

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